おいしく感じるはなし
おいしく感じるって、考えたことありますか。あらためて言われると、迷ってしまいますね。味だから、きっと舌で感じるのかな。でも風邪をひている時は、匂いも感じなくて味気ないし、梅干しも見ただけですっぱく感じるし、味は舌だけでなく、見たり、嗅いだりすることも、おいしく感じる原因なのです。結局、五感を通じて、脳の中のどこかで感じるのですね。
おいしく感じるのは、味がおいしいだけでなく、好きな人と食べたり、懐かしい味で子どもの頃を思い出したりすることも、おいしく感じる一つではないでしょうか。僕らの頃は、給食に脱脂粉乳を飲んだ思い出があります。とてもいやでいやで仕方がありませんでした。先日、ひょんなことから脱脂粉乳を飲む機会がありました。それは昔ほどまずくはありませんでした。大人になっていろいろな味を覚えたからでしょうか。それともその頃の自分を思い出して、いやな思い出を消し去ったからなのでしょうか。初恋の相手が懐かしいのは、本当はその頃の自分が懐かしいのだから、と言う詩人がおります。結局おいしく感じるのは、人生の思い出なのでしょうか。
つちのこさん |
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