だ液のはなし (1)

1, 血液とだ液は親子関係
だ液はもともと血液から作られていて、健康な人ならば一日1〜1.5リットルぐらい分泌されています。18世紀頃まで西洋では身体には血液・体液があり、これらの均衡が崩れると病気になると考えられていました。しかし、今から100年程前には「だ液も体液のひとつだから、
だ液を調べれば身体の中のことがわかるのではないか」と考えた人々がいたのです。だ液を血液のように体内の状態を反映する体液のひとつとして見る、画期的な発想といえますね。
だ液と血液はほとんど同じ科学成分が含まれています。部導管が能動的にイオンを吸収して、だ液を水に近い組成に変えていくのです。だ液のほとんどが水ですが、実に様々な物質によって構成される複雑な液体です。

腺房部でのだ液分泌には3つのルートがあります。

●細胞を通過するルート
腺房部細胞では、その細胞膜にイオンポンプやらイオンチャンネルといったものが存在しており、Na+、Cl+、K+およびHCO3-を血漿からいったん細胞内に取り込み、だ液中に分泌します。水一部はこのイオン特にNa+によつて生じた血漿側とだ液側の浸透の差によってこのルートを通って分泌されます。

●開口分泌
細胞膜の一部がシャボン玉のように膨れてつぎにそれがちぎれるというもの。タンパク質、特にだ液腺細胞で合成される酵素はこのルートで分泌されます。

●細胞と細胞の間隙を通るルート
血液中に存在するほとんど全ての物質がだ液中にも分泌され、それらの物質は細胞間隙には「タイトジャンクション」という関門のような構造物があって、比較的小さな分子ならとおすこと、さらに条件によっては開いたり閉じたりしてだ液分泌に大きく関与していることがわかってきました。

INDEX
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食べる脳のはなし.....つちのこさん
噛むはなし(1)......石ちゃん
噛むはなし(2).....たかぱぱ
だ液のはなし(1)......かずぼん
だ液のはなし(2)......つちのこさん
飲み込むはなし.....秀くん
味覚のはなし.....つちのこさん
おいしく感じるはなし.....つちのこさん
食事が楽しいのはどうして?.....つちのこさん

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