食べる雰囲気の整備

高齢を迎えると体は老化の影響を受けることになります。特に脳血管障害やアルツハイマーなどの病状が起こった場合は急速な影響を受けます。視力、聴力、嗅覚、触覚、味覚の5感が衰え、食べてもおいしく感じなくなってしまいます。さらに噛む力や飲み込む力も衰えると「食べる意欲」「生きる意欲」をも失ってしまいます。そこでその残された能力を最大限に活用しておいしく食べるために環境の整備が必要となってきます。障害がある場合でも、残された細胞に働きかけることによって、休んでいる細胞が活性化され、機能が回復することが医学では証明されています。おいしく食べるためには五感のすべてを使って食べるのですから、おいしく食べさせるためには、その五感を十二分に活用させる必要があります。そのためにも適切な照明、環境音楽、おいしそうな匂いや料理の盛り付け、食器の大きさ、テーブルクロス・カーテンの色までも気をつけなければなりません。
このコーナーではこの問題を考えていきましょう。
おいしい調理の工夫などは「食形態の整備」コーナーで、障害の程度にあった食器や介助方法は「食介助の適正」コーナーでお話しますので、ぜひページをめくって下さい。
(つちのこさん)