食介助の適正
食事が食べられなくなることは、食べたり飲み込んだりする機能に障害があるのか、手や肘などが曲がらなくなって食べられないのかによって、介助の仕方が違ってきます。
あくまでも、おいしく食べることは自分で食べることが一番です。時間がかかるからといって箸を取り上げて食べさせたり,食材をまぜて食べさせたりすることは、食事の楽しみを奪ってしまいます。このコーナーでは自らおいしく食べられるような自助具の選び方や誤嚥をさける介助の方法についてお話します。

自ら食べること
食べることは、生活の質の向上、生きる意欲に関わるたいせつな行為です。
特に自ら食べることは食欲向上、社会参加への自覚と自立の助けとなります。
そのためにも自ら食べられるように、創意工夫をすることが大切な事となり、
自立を助ける食事の道具として食事動作自助用具(自助具)が必要となってきます。

食事動作自助具の選び方
障害の程度や残された能力を知ること
 関節の変形、可動域の制限、疼痛、拘縮、
 麻痺、不随意運動、開口障害、補食障害
道具の特性、機能を的確に把握すること
 はし、スプーン、フォーク、食器
道具を使用するときの環境を把握すること
 場所、介護の必要性、介助者の続柄

<おいしく安全に食べるために>
あっちゃんの食介助日誌 part1
○月○日 晴 Mさん宅にて
(ADL自立度…A-2、食形態…やや軟らかめの普通食)
今日はお天気がいいので、車イスで縁側まで移動。新鮮な空気の中で、Mさんが手塩にかけて育てた庭先の盆栽をながめながら、ゆったりとした気分で食事をいただかなくっちゃ。
今日の朝ごはんのメニューは、ご飯(軟らかめ)、お豆腐と小松菜のお味噌汁、鮭のホイル焼き(ほぐしたもの)、かぼちゃの甘煮、ゆでキャベツの岩のりあえ、梅干し1個、デザートにグレープフルーツのヨーグルトかけ……ん〜、おいしそう!
食べる時は、姿勢が一番大事。とは言っても、Mさんはどうしてもマヒのある方へ傾いていってしまうから、クッションや枕でマヒ側の高さを調節して、背中の角度を30度〜60度に固定してあげないと…、よいしょ。頭は苦しくない程度に、やや前かがみにして、あごを少し引きましょうね。そうしないと、この前のように誤嚥ごえんしそうになって、むせてつらい思いをしちゃうから…。
さて、私はMさんの身体の健康な側にイスを持ってきて、目線を同じにしなくちゃ。テーブルの高さや位置も、Mさんの手が動かしやすいように調節しましょ。えーと、さっき、きれいに手を拭きましたよね。入れ歯は、ちゃんと入ってる? お茶をひと口、飲みましょう。
それでは「いただきます!」
続きはpart2で(あっちゃん)