簡易的口腔清掃
























































































































































専門的口腔清掃を行うには高度な技術と作業時間がかかりますが、施設や病院などの集団的清掃や日常的に行われる口腔ケアは簡便で継続的に行われなくてはならず、少ない道具で効率的に行わなければなりません。そのためには手順をシステム化して対応する必要があります。角、植松氏らの提案の普及型口腔ケアシステム(5分でできる口腔ケア)が効率的に行えますので、ご活用下さい。




いわき食介護研究会でもこのシステムを取り入れた支援を行っています。

<簡易的口腔清掃手順>



うがい(洗口):30秒

口腔 清掃を始める前のうがいは薬効を期待するものではなく、残渣物の洗浄や口腔内の知覚を促し、粘膜を湿潤にするもので、お水やお茶、薄いレモン水などの爽快感や清涼感を期待するものを用います。



口腔清拭:1分

口腔清拭は食後の残査物や喀痰などをぬぐうことですが、体の清拭などと違い歯と歯の間や歯肉との間には多くの隙間があり、複雑な構造をしているため、ぬぐうだけでは間に残査物を押しこんでしまい、清拭の方法を誤ると悪化する恐れがあります。口腔清拭は必ず歯ブラシを使用することを前提で行わなければなりません。用具はめん棒やスポンジブラシなどを使用します。最近では柄の長いものや、掻き出しやすいように横に刻みの入ったスポンジブラシも市売されています。清掃手順を決め拭き残しの無いように万遍に行う必要があります。



舌・口蓋清掃:30秒

舌や口蓋は口腔内細菌の繁殖しやすく、痰などがこびりつきやすい場所なので不潔域になりやすく、味覚の維持や、誤嚥性肺炎を防止するためには十分な清掃が必要です。特に口蓋は見えにくい場所なので注意を要します。使用器具は舌の清掃用の各種舌ブラシがありますが、軟毛の粘膜ブラシが全域の粘膜清掃には効果的です。



歯ブラシ:2分

歯磨きに使用する歯ブラシは柄がまっすぐで、毛の硬さは軟らかめのものを用います。また歯ブラシ以外に口腔清掃用具(歯間ブラシ、デンタルフロス、舌ブラシ)などは必ず必要となるので、使用方法を習得しておく必要があります。残査物が残りやすいところは歯と歯肉の境目や奥歯の噛む面、歯と歯の間であり、丁寧に清掃する必要があります。
嚥下障害や認知障害などがある場合は清掃剤が誤嚥しないように吸引付はブラシが有効的です。病棟でのベッドサイドの吸引装置や在宅で使用されている痰吸引装置に容易に接続でき、安全で効果的に清掃をすることができます。



うがい(含嗽)、湿潤剤:1分

含嗽は基本的には「うがい」ですが、粘膜炎症のある場合は薬効のある含嗽剤を用いることがあります。使用方法は口腔内の疾病の状態、感染、乾燥、口臭などを把握して製剤を選択する必要があります。最近では緑茶のカテキンの効果も注目されています口腔乾燥がある場合は粘膜の保湿を維持させるために粘膜湿潤剤、保湿剤を塗布します。